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2012年2月 6日 (月)

386アンプをちょっと真剣に作ってみた

電子工作ではお馴染みのLM386(NJM386BD)を用いたアンプを作ってみました。
部品代もさほどかからずお手軽にパワーアンプを製作でき、ギターアンプ,インターホンなどに応用した多くの作例が公開されています。

今回はこのICがオーディオアンプ(と言うにはおこがましいが音楽鑑賞用)として実用になるのかどうかが興味の対象としてありました。

ICのスペックから見るとおり出力が0.5~1W程度であり、本格的なオーディオアンプとしては出力不足ではありますが、比較的高能率なスピーカーをさほど音量を上げずに鳴らした場合にどれほどの音質で鳴らせるのか、それを実際に製作してみて聴いてみる事にしました。

このICのオリジナルはLM386、今回は同等品のJRC製NJM386BDを使用します。
製作した回路図はこの様なものです。

386amp01_2
NJM386BDのデータシートを読みながら検討します。
2番ピン,3番ピンの内部の入力抵抗は約50kΩ、これに頼らず外部に3kΩ程度の抵抗を取付ける様にとの記述が見られます。
また、片側をGNDに接続してもう一方をオープンにすると出力の中点電位がズレるので10kΩ以下の抵抗でGNDに接続する事を推奨 との記述もあります。
「3kΩでないとダメなの、10kΩ以下なら良いの?」と悩む部分もありますが、とりあえず入力は10kΩの2連ボリウムで音量調節をすることにし、もし完成後に出力の中点電位を測定してズレが大きい様なら5kΩまたは2kΩのボリウムに交換する事にしました。

接続する相手機器から直流が出力されないのがわかっていれば入力のカップリングコンデンサは省略できますが、ここは安全を考えてカップリングコンデンサを入れる事にします。
使用するボリウムが10kΩですのでカットオフ周波数を10~20Hzとして2.2μFに決定しました。

5番ピンに接続する出力のカップリングコンデンサも同程度のカットオフ周波数で考えます。
接続される負荷を8Ωとすると1000μFで約20Hz,2000μFで約10Hzとなります。
データシートの回路例では220μFとなっていますがこれは約100Hz、どうやらインターホンなどの音声信号を想定した値の様です。
ギターアンプなどでも220μFで十分でしょう、ベースギター用ならもう少し大きな値が良いのかも知れません
とにかく1000~2000μFは必要そうなので手持ちの関係で1000μFを2個並列接続して使用する事にします。

386amp02_2
使用するICは最初から決まっていますので、音的な配慮はほとんどコンデンサ類の選定になります。
入力の2.2μFにはPanasonic製のフィルムコンデンサを使用しました。
容量の大きなフィルムコンデンサの種類はさほど多くはありませんので、2.2μFよりも大きな値を使用したい場合は、オーディオ用と称している電解コンデンサを使用しても良いでしょう。
出力の1000μFはニチコンのMUSE KZを使用しました。こちらもオーディオ用として人気のあるMUSE FG,東信工業のUTSJタイプなどお好みでチョイスしても良いでしょう。

NJM386Bのデータシートからは電源電圧は 4Ω負荷ならば9V、8Ω負荷ならば12V程度まで上げられそうです。
低い方は約4Vから使用できますがそのぶん最大出力も小さくなってしまいます。

電池駆動なら単三電池4~8本で使用する事ができます。

電源部に使用するバイパスコンデンサは一番人気のOS CONを使用したいところですが、容量の大きなものは価格が高いので今回は低価格なルビコンのMCZタイプを使用しました。

今回は電源電圧12Vでも大丈夫なように16Vのものを使用します。
容量はできるだけ大きなものを使用したかったのですがサイズの関係上1500μFのものを2個並列にし、それぞれを各CHのICの電源ピンに近くなる様に配置しました。

完成した基板の様子です。

386_amp1_2
回路図では 386BDの出力ピン(Pin5)と0Vの間に0.1μFと4.7Ωの直列回路が入っています。
当初は、データシートどおりに0.047μFと10Ωで製作しましたがケースに収納する前に電池駆動で音出しテストをした際に音量を上げると音が濁るような感じがしたのでこの部分の吟味が必要と考え、テストしてみる事にしました。
データシートによるとこの部分は 負荷条件により検討 と記されています。
手持ちの何種類かのスピーカーで音を出しながらスピーカー端子の波形をオシロスコープで観測しました。
ほとんどのスピーカーでは問題なさそうでしたが一種類だけ音量を上げた時に本来の信号波形の他に高い周波数の成分(数100kHz)が混入している事が確認されました。
0.047μFを0.1μFに変更しても変わらず、10Ωを2本並列にして5Ωにすると異常な波形は観測されなくなりました。
回路図では4.7Ωと記載しましたが画像では10Ωが2本並列接続で使用されています。
この抵抗は5Ω以下、4.7Ωまたは3.3Ωあたりが良い様です。

386_amp4_2
周波数特性を測定してみました。
抵抗負荷では良好な特性になるのは予想できましたので、上記で問題となったスピーカーを接続しての特性を調べてみました。
出力は測定中に近所迷惑にならないレベルで 0dBが約0.1Wとしました。
周波数の低い方は、2.2μFと10kΩ,2000μFと8Ωでほぼ計算どおりです。
40Hzで-1dBと実用上は問題ないレベルですが入力のカップリングコンデンサは4.7~10μFでも良いかも知れません。

周波数の高い方は約500kHzまで伸びていますが300~400kHzあたりに山があります。
気になったので 10Ω2本並列していたところを3本並列(約3.3Ω)にして10kHz以上だけを再度測定してみました。
気になった山は低くなり400kHzまでほぼフラットになりました。
おそらくこの抵抗値が10Ω以上になるとこのピーク部分が高くなり、発振しやすくなるのだと思われます。
私の手持ちのスピーカーでは10Ω2本並列で問題は無いのでそのままにしていますが、今後別のスピーカーの接続を想定すると3.3Ωの方がベターかも知れません。

基板が完成してしばらくの間単三エネループ4本で鳴らしていましたが、ほとんど屋外に持ち出す機会がないので、電池の充電が面倒になってきました。
リップルノイズが全く無いのが電池のメリットではありますが、ACアダプタを使用してみる事にしました。
また、できるだけ出力を大きく取りたいので電源電圧も高めにしてみる事にしました。
データシートから8Ω負荷なら12Vまで大丈夫そうなので、DC12V出力のACアダプタを使用する事にしました。

386_amp3_2
画像左がアンプ本体、中央がトランス式ACアダプタ、右がスイッチング式ACアダプタです。
普段は全く気になりませんが、無入力時にスピーカーに耳が触れる程度まで近づくと、
トランス式ACアダプタでは「ブーーン」と、スイッチング式ACアダプタでは「ピーー」音が聞こえます。
スピーカーから50cmも離れると全く気にならなくはなるのですが何とかしたくなりました。
NJM386BDの7番ピンと0Vとの間に電解コンデンサを追加すると小さくできそうですが、「電源からのノイズを遮断したい」と考え、三端子レギュレータを追加する事にしました。

386_amp2_2
すでに基板はできあがっており、サイズの大きな部品は実装できそうにないので、電源の入力ジャックのところに電解コンデンサと三端子レギュレータ7809を直付けで取り付けました。
アンプの駆動電圧は9Vになってしまいましたが、上記の「ブーン」も「ピーー」音も全く聞こえなくなりました。

ACアダプタにDC15Vタイプを用いて三端子レギュレータを7812を使用しても良いでしょう。

広い部屋で大音量で鳴らすのには出力不足ですが、比較的能率の高いフルレンジスピーカーを鳴らすのには十分な実力はありそうです。
すでに高級なオーディオシステムを持っている方でもサブシステムとして使えるかも知れません。

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コメント

takmiです。
・zobel network の負荷を極端に重くする
・出力コンデンサの(-)側からオーバーオール負帰還をかける
という作例を拙ブログに掲載しました。
・高い周波数のレスポンスをほどほどに悪くする(実用の範囲内で)
・コンデンサ増量により低域のレスポンスを稼ぐ
という設計方針です。
落ち着いた(枯れた)音を狙ったのですが、これでもまだ相当元気な音です。
LM386はいいICですね。

コメントありがとうございます。 作例を拝見させていただきました。
確かに zobel回路の値は抵抗負荷では無く実際のスピーカー負荷で値を検討すると良い結果が得られる様ですね。
また、最近同じタイプのものを製作して気付いたのですが、C5の取り付け位置によって動作の安定性が変化する様です。
C5の取り付け位置がLM386のPin4,Pin6から5cm以上離れると動作が不安定になります。
電源回路にいくら大容量の電解コンデンサを用いたとしても ICの電源ピンに最接近させてそれなりの容量のコンデンサを追加で配置させると好結果が得られる様です。

takmiです。
C5の取り付け位置の件、情報ありがとうございます。とても参考になります。
次の展開(現在の課題)ですが、下記を調査してみます。
進展ありましたらまたコメントさせていただきます。
・蛍光灯のオンオフ時のノイズが大きく入ってしまう
 →ACアダプタ入力直後のノイズ処理でなんとかならないかどうかの検討など
・音の落ち着きが不足している(元気がありすぎる)件の改善
 →LM386(互換品)を反転増幅器として使う作例の検討(総合利得≒10)
ではまた。

LM3886TFのデータシートに「IN+とIN-間に220pFを追加することで蛍光灯などからの電磁性ノイズの影響を受けにくくする」の記載がありますのでLM386でも応用できるかも知れません。
私個人の考えとしては電池が理想的な電源だと思っていますが、AC100V電源を用いる場合は電源回路の徹底的なローノイズ化が必要だと思っています。
ローノイズな電源が「落ち着いた音」に繋がるのかも知れません。

takmiです。
蛍光灯のオンオフ時の雑音対策ですが、私が当初考えていた、電源部分への手当では対策効果が出ませんでした。アドバイスいただいた内容を元に作例をアップデートいたしました。対策内容は以下です。
①Pin 2を抵抗経由ではなく、直接接地する。
②Pin 3をPin 2に1000pF(フイルムコン)経由で接続することで高周波域において交流的に接地する。
以上によりLM386の初段差動増幅部によるノイズ除去(同相除去)の効果も得て
実用レベルの耐ノイズ性能になりました。的確なアドバイスありがとうございました。
私の使い方ではバス・ブースト付アッテネータ(出力インピーダンス≒1kΩ)をこのアンプに入力させて
いますので上記1000pFはカットオフ159kHzのLPFを構成することになります。

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